支度の時間。

支度の時間が長い女というのは、
存在する。

一緒に旅行するとわかる。

単に、「朝早く起きられない」
「きちん、としないといやだ」
「荷物の整頓ができない」

わたしは、
コトのあとの後始末と支度が
早すぎてびっくりされる経験がある。
大勢の女は、支度に時間がかかるらしい。

高校と大学のクラブは
「いかに早く着替えができるか」が
勝負な活動だったので
(トイレの個室で黒スーツ→チア衣装に着替えるのもへっちゃらだ)
着替えの動作の速さには自信がある。
支度の時間に時間をかけるより
相手と一緒にいる時間の方を大切に
したかった季節がありました。

しかし、それは色気が無いことを
あとあと悟ったので
大丈夫な時には
ゆっくり支度する。

わたしの一番好きな支度の時間は

夕暮れ時の、
夜のお出かけの前。

お酒を飲む会合なら
軽く、自分の分のお酒を飲みながら
香りを身に纏い、
足元から創り上げていく。

何を話そう?
どんな顔をしよう?
と想像しながら

基礎化粧から
丁寧に仕上げたベースに
アイメイクを
ほどこす(アイラインひくのは
ほんと苦手。)

あらかじめ、靴から選んでおいた
コーディネートに体を通して、

アクセサリーもつける。

それは、大切な人なら
あいてさきが男でも女でも
同じ工程。
今度、いつ会えるかも、わからないし
永遠に会えなくなるかもしれないから

「ああ、元気そうだな」
って思われたい。







# by tanakahii | 2016-12-02 14:15

In this Corner of the World


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ネタバレを含みます。
読む人は注意をしてください。









ネタバレですよー





原作者の漫画は大好きで、
「アクション」に連載されていた本作は、アニメ化してから観ようと
一切のネタバレを封印して
当日の映画鑑賞に臨みました。

まず、前提として、
私はその生い立ちから
体の一部が欠損する状況に
とてもとても弱いです。

私の父が先の戦争が遠因で
左足を欠損していることに
子供の私は「何の疑問を抱かず」
頭のよく説明のうまい父を尊敬を
してすくすくと育ちました。

西洋医学にほとんど頼らず生きてきた
父の欠けた足の傷はいつまでも癒えず
包帯を煮沸消毒して干して
アイロンをかけくるくるとたたむのは
嫁した母の「日常の家事」で、
映画で、縁側に干された包帯の絵と
ダブって画面がにじみっぱなしでした。

後段で、GHQのジープが子供達に
チョコレートを配るシーンは、
ぞくぞくしました。
父の足を損なったのは、GHQのジープでした。

そんなパーソナル意味で
この映画は私の心をガクガクさせました。


# by tanakahii | 2016-11-20 00:58

父の甘納豆。

好きな人の好物を覚えるのが
好きだ。

最愛の父の好物は
茶碗蒸しときゃらぶきの佃煮と
五色の甘納豆。
なぜ五色かというと、
一種類だと食べ飽きてしまうからだ。

父は好奇心が旺盛で
飽き性なところがある。

茶碗蒸しが好きなのも
一口一口、具に何が出てくるか
わからないから好きらしい。

実家の茶碗蒸しの具は
煮付けた椎茸に銀杏にかまぼこ
鳥の胸肉に厚焼きと
バラエティに富んでいる。
海老が入ることすらある。

父に似たところのある
家人が最近気に入っているのが
デパ地下で夕方半額になる
串カツのセットで
かじらないと何が具になっているか
わからないところがいいらしい。

茶碗蒸しの卵の地を「次は何かな」と
掘りすすめるのが好きな父と、
「これは、アスパラベーコンだった!」
と串カツを食べながらクイズを解くように
話す家人の顔は、
まったくの他人なのに似ている。

父に似た人を好きになると
よく言われるが、
「似ている」と思って好きに
なったつもりがないので
心外だ。

だが、この2人の男性を
私は無条件に甘やかしたくなる。

「この人になにかしてあげたい」と思わせる能力が2人ともなぜかやたら高い。
2人ともよく物をもらって帰ってくるし
懇意にしてもらう人が多い
(のに、あまり自分からは返さない)
そんなところも似ているな
と思いつつ

外を歩いていて
五色の甘納豆を見つけると
反射的に財布を開いてしまう
私なのである。





# by tanakahii | 2016-11-04 20:49

ナンバーカードとセルフフォト

職場の地下には、
セルフフォトの機械が設置してある。

手続き等に証明写真が必要な人用で
結構な最新機器だ
肌色が盛れるし、背景の色も何種類か
選べる。(ただし、値段による)

今日は行きがかり上、可愛らしいマダム達の
マイナンバーカード用の写真撮影の
アテンドをつとめた。

「やっぱり、一番高いコースにするわ」
と、きっぱり宣言したマダムは
雄々しくカーテンの向こう側に立つと
「、、、、、ど、どうすればいいのかしら」
と戸惑いはじめたのめ、
「奥の椅子に背中をつけて座るんですよー」
から、
「紙幣はここに入れるんですよー」
「はい、、目をつむらないようにしてー」
「笑顔〜」パシャ
まで、お付き合いアテンド。

スプリング系の肌の方だったのと
お召しになっている
トップスのマルチカラー柄ピンクが
入ってたから、ピンクの背景をオススメ
しておいた。

肌色補正のボタンをうっかりプラマイゼロ
に選んだのがくやまれましたが、
シルバーの御髪にぴったりの
画像になって、
本当に嬉しそうな笑顔になられて
こっちも嬉しかった。

女たるもの、
エヌジーな写真はこの世に一枚も
残してはならないと
思うので、全力をつくしました。

人の満足を引き出す仕事、
とことん好きだなあ。わたし。





# by tanakahii | 2016-10-21 18:12

声が出なくなりました。

生まれて初めて、声が出なくなりました。

しばらく残業が続いて
締めくくりに市民と事業者向けの
説明を40分ほどした後
「あれ、、、出ない」
と思ってたけど、午後から
そのまんま仕事を続けてたら徐々に。

ここ二週間ほど一緒に暮らしてる
猫さんが死にかけたり
その猫さんに深夜朝方続けて給餌
したりしてたから、疲れも溜まって
いたせいかもしれません。

帰宅したら、完全に出なくなったので
家人とは筆談とボディランゲージで
意思疎通。

簡単な手話が(学生時代から始めて
社会人になってからもしばらくかじったので)
できる私ですが、
話せないと、久しぶりに手話の単語が
(通じないのわかってるのに)体をついて
手から湧き出してきました。
家人は手話をまったく知らないので
意味なし。

そして、
これまで出会った聴覚障害者の人のことを
思い出しました。

彼女ら、彼らのうち若い世代は
口語教育を徹底的に受けて
いるので、かなり聞き取りやすい発声で
「話せる」方が
多かった。
(筆舌に尽くしがたい訓練と聞いてます)

でも、失聴(難聴ではなく)の子が、
「読話」というのが、すごい大変
で、長い時間していると、疲れて「頭痛が
するねん。ふらふらするねん。」
と教えてくれたことがあった。

彼女ら彼らは、同世代でも年上世代でも
華やかな色の服を着ていることが多くて
髪型や靴なんかもちょっとお洒落な
人が多かった。
なにより、表情が豊かで、魅力的な
人が多かった。
視覚を重視する生活文化のためかしら
と思っていました。

一時的にせよ、声が出なくなった私は
話さないと、
些細なコミニュケーションの中でも
「相手に同調」することが易く
「相手にやんわりとNO」を伝えるのに
苦労することに気づきました。

彼ら、彼女らのコミュニケーションは
直截的で、「どっちともつかない」伝え方
が少なかったように思う。
「否定はきっぱり否定」「肯定はばっさり肯定」。

たった3日だけど、
ものすごく不自由に感じて
イライラしてしまう。

キャップハンデ体験で気づくことなんて
ほんの少しで
当事者意識というのは、いつもいつの時も
考え続け、追求し続けないと
いけないことなんだと思い知る。

あの時は、携帯メールが大活躍
だったけど、今はラインできたり
するし、
彼ら、彼女らはどう過ごしてるのかなあ。
と思ったのと。

たくさん手話の単語を忘れてしまってたのが
すごい残念だった。

いじょう





# by tanakahii | 2016-10-16 12:33